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このところ国内出張が多くなってきまして、先般は富山、そして今月と来月は岡山へ参ります。 いずれも、「下請け適正取引」に関する仕事です。 岡山出張は久しぶりのことです。 当初は当然のこととして、1泊のつもりで予定を組みましたが、少し調べてみましたら日帰りが可能なことがわかりました。 新幹線「のぞみ」の威力ですね。 新横浜から岡山まで、なんと3時間そこそこで着いてしまうのですから、日帰りは当然可能です。 ついこの間までは、首都圏からの日帰り可能圏内は近畿くらいと思っていましたので、少しばかり驚きました。 こんなことを考えていましたら、相当昔の話になりますが、「ビジネス特急 こだま」のことを思い出しました。 「こだま」と言いますと当然、新幹線を連想する方が大多数かと思いますが、、「ビジネス特急 こだま」は、在来線(東海道線)において、首都圏と近畿圏とを結んで、日帰りビジネスができるという構想で、昭和33年11月1日に初めて運行されました。 当時の時刻表を見てみますと、東京を7:00に出発いたしまして、大阪に到着するのが13:50でしたから、片道6時間50分もかかったんですね。 それでも、これに乗り、関西への出張を日帰りでこなした、当時のビジネスマンは、根性がありました。 岡山への日帰り出張の話に戻ります。 一泊しなくても日帰り出張できることは、私共にとっては、時間効率が良くなるため、うれしいことです。 しかし、ものごとには必ず「光と影」が有るわけでありまして、岡山にとりましては必ずしも良いことばかりではありません。 一泊すればホテル代やら飲食費は岡山に落とされますし、お土産なども出張者は奮発するかもしれません。 したがって日帰り出張などでは殆ど、岡山経済に貢献する部分はありませんで、こう考えてみますと「ビジネス特急」以降、新幹線の登場は、必ずしも、岡山にとり、ハッピーなことばかりでは無いようですね。 同じような観点から、岡山にも関係がある本四架橋について考えてみます。 本四架橋すなわち、本州四国連絡橋は、本州と四国とを道路・鉄道で結ぶ橋または道路です。 本四架橋は昭和30年5月11日に発生した、国鉄宇高連絡船「紫雲丸」の海難事故を直接的な契機としつつも、四国経済の将来形を考え、構想されました。 その後、ルート選定をめぐり、地元の政財界と地元出身の政治家を巻き込む中で激しい誘致合戦が繰り広げられましたが、最終的には1969年の「新全国総合開発」で以下の3ルートの着工が決まりました。 @神戸・鳴門ルート 神戸市垂水区舞子から徳島県鳴門市に至る、全長89.0kmのルート。 A児島・坂出ルート 岡山県倉敷市児島から香川県坂出市番ノ州に至る、全長9.4kmのルート。 B尾道・今治ルート 広島県尾道市から愛媛県今治市に至る、全長59.4kmのルート。 地元経済の期待を担い、開通した本四架橋ですが、四国での人口流出や産業の衰退など、深刻な問題を抱えることになるなど、結果としては必ずしも思惑通りには運ばなかったようです。 しかしながら、こうしたことは当初から予想されると同時に、実際にはその通りとなってしまいました。 @1988年4月に瀬戸大橋が開通した時、四国側のお客がが岡山側に吸い上げられると予想され、四国側ではその対策の必要性を迫られました。 A神戸鳴門ルートと香川県が高速道路で直結した事により、香川県内の消費者が京阪神へ流出するという状況も発生しました。 B1998年4月に明石海峡大橋が開通してからは、徳島や淡路島では、それまで地元で行われていた消費行動が京阪神へ流出し、地元経済が急速に衰える事態になりました。 現象としては、大きい商圏と小さい商圏との間の距離(時間距離)が、交通機関やら道路網の整備などで短くなると、大きい商圏の経済活動に小さい商圏の経済活動が吸収されてしまうということです。 こうした現象を称して 「ストロー効果」と言います。 交通網(ストロー)が整備されると、「口」に当たる大商圏の市町村・地域に「美味しいジュース」が吸い上げられ、「コップ」に当たる小商圏の市町村・地域には「氷」しか残されない現象から名づけられました。 直近の話としては、先般、副都心線が開通し、池袋・新宿・渋谷の三大副都心3つの巨大商圏がつながりました。 ここで心配しているのは大宮です。 大宮側は、ストロー現象で三大副都心にお客が吸い取られてしまうことを危惧しています。 さらに戦々恐々としているのは池袋でして、これまで池袋でショッピングをしていた埼玉方面からのお客にとって、今後、池袋は新宿への単なる通過点になるのではないかと心配しています。 交通網の整備は新たな競争条件の再編を意味しますね。 このストロー現象を考える時、私は、よく「ニュートンの万有引力の法則」を連想します。 「2つの物体の間には、物体の質量に比例し、2物体間の距離の2乗に反比例する引力が作用する」という法則です。 私は世の中の殆どの動きは、この万有引力の法則にしたがい動いている、と信じておりまして、「このストロー現象」もこの法則により説明できます。 たとえを簡単に言いますと、大きい磁石(大商圏)があって、小さい磁石(小商圏)があるとします。 この二つの距離が離れていれば、何の動きもありませんが、徐々にその距離を縮めて(時間距離が短くなる)行きますと、磁力が働き、小さい磁石(商圏)は大きい磁石(商圏)に引き寄せられてしまいます。 では、今後、さらに公共交通機関が発達し、道路網が整備されてきたら、どうなるでしょうか。 小さい商圏は生きて行く事はできなくなってしまうのではないか、との心配がでてきますね。 確かにこれまではそうでした。 しかし、私は小さい商圏でもしっかりと地歩を固めて、生き残ってゆくすべは必ずあると考えています。 そして、地場に根ざし、さらに発展してゆく為のヒントを、少しばかり申し上げたいと思います。 @2007年度の通信販売業界全体の売上高は3兆8,800億円となりました。 傾向的に大きく伸びており、そもそも「商圏」といった概念の輪郭が、薄くなってきている点を、しっかり認識することです。 良く考えてください。 ネット通販、TV通販とも、いずれも全国区です。 A日経産業地域研究所の調査結果(9月18日、日経新聞掲載)は要注目です。 大都市圏の住民でも、最近の傾向として、特に30代を中心として「地元志向」が強まってきているということです。 その理由は、地元でも多様な店舗やサービス施設が増えてきており、 「自宅に近い方が便利」「都心に出かけるのが面倒」と言う人が多いようです。 この現象が、最近の景気後退を反映した一過性のものか、ライフスタイルの変化をベースとした構造的なものか、検証する必要はありますが・・・。 B基本的には高齢化がいずれの地域でも進展すると言うことです。 地方でもそして大都市でも。 高齢者の移動志向は、当然ながら、若者に比べて強くはありません。 したがって、上記の@Aの持つ意味が活きてくることをもう一度考えてください。 これらの事柄を念頭におきつつ、商圏の存立を確実なものにしてゆく為の十分条件を考えなければなりません。 すなわち、万有引力の法則で言う、「物体の質量」の内、量ではなく、質そのものを高めることです。 その場合の基本は、質の中身について、顧客のニーズをきちんと満たすものにすることです。 当然のことながら、これは商圏全体の構成内容から始まり、個々の商圏構成員における品揃えや接客態度などに至るまで、一貫して顧客志向が貫かれていることが前提となります。 いずれにしましても最終的には「工夫とおもてなしの心」が大切になってくるものと考えます。 如何でしょうか。 岡山へ出張に出かけた折、せっかくですから、かねてから欲しかった備前の徳利のお店を覗いてみたいと思います。 気に入ったものがあればうれしいですね。 |
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